社会主義的諸計画

 この様に哲学が統一ある統制[#「統制」に傍点]を保ちながら、而もそれ故にこそ一定の客観的に明白な進歩[#「進歩」に傍点]をなし得るということが、ソヴェート哲学を他のブルジョア諸国の支配的な哲学から区別する著しい特徴である。ここでは、丁度自然科学に於て、すでに決定された理論上の諸結果へ客観的な理由なくして舞い戻ることが許されないように、理論の歴史的な歩みをフイにして過去の任意の理論の前進面から出発することなどは許されない。それ程進歩の足跡は歴然と記録されているのである。哲学のこの意味に於ける科学性[#「科学性」に傍点]は全く、ソヴェートに於ける科学的社会主義の建設の一環として、哲学が政治的実践的な標尺に沿うて動いていることの結果に外ならない。そしてここにこそソヴェート哲学の本当の創造性[#「創造性」に傍点]――スターリンは創造的マルクス主義を独断的マルクス主義から区別する――が横たわっている。思弁的煩瑣や空想的な思い付きではなくて、本当に科学的な必然的な客観的な独創性[#「独創性」に傍点]が横たわっているのである。 ソヴェート哲学が社会主義的諸計画――経済的・政治的・文化的――の一環として機能せねばならず又現にしつつある、ということから見て、ブルジョア哲学者の或る者が信じているような独立自存な哲学として哲学ともいうべきものがあり得ないことは、云うまでもない。無論哲学は他の哲学ならぬものから――例えば特に諸特殊科学から――指導的理論として一応は区別されねばならないが、それは社会主義建設を指導するための理論だからであって、社会主義建設から独立した理論だからなのではない。哲学は諸特殊科学の指導理論であるが、それであるが故にそれだけ諸特殊科学の内容へその根を張らねばならぬ。特殊科学はそして社会主義建設のための技術を提供すべきものなのである。この意味に於て、ソヴェート哲学こそは、本当に生命ある一切の内容に浸徹する世界観[#「生命ある一切の内容に浸徹する世界観」に傍点]だと云わねばなるまい。

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