ヘレン・ケラーの事

  ヘレン・ケラーの事

 私の手紙に行き違いにあなたのお手紙が参りました。私のことを自分のことででもあるようによく考えてくださいました。私も無理に東京に出なくてもよろしいのですけれど、自分らと尊い営みを共にする人々と、朝夕往復のできるようなところに住みたく思いました。しかしあなたのおっしゃるように...

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妹の健康は異情を呈しました

 けれど私にはここにも十字架が待っていました。宿に来てからは妹の健康は異情を呈しました。それは山の上には風寒く北向きにて日あたり悪しくまたあまりに寂寞《せきばく》なるためでした。妹は何となく不幸そうに見えました。そして外は風雨の烈しく樹木の鳴る夜に寒そうな淋しそうな顔をして少しは燈火の美しいところへ...

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肺の悪い友

絵を分かった肺の悪い友は非常に落胆して私と別れることを大きな幸福を失うことでもあるかのように嘆きました。いよいよ病院を出る時には玄関まで岩井の母親と嬢さん(聖書の友)や二、三の知人が送ってくれました。肺の悪い友は歩行してはいけないと私が止めるのをもきかずにしいて玄関まで出ました。蒼《あお》ざめた顔に...

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